介護保険のカラクリ

老後にいくら必要か検討する上で、自立して生活できなくなったときに、高額介護サービス費をどれくらい負担しなければならないかは重要です。
過去に在宅でケアサービスを利用している父親の例を紹介しました。

「老後2000万円」は過小評価 - Limnology 水から環境を考える

今はコロナ禍なので、私から父に感染してはならないと介護老人保健施設でみてもらっています。その場合いくらかかって、介護保険でいくら戻るのか紹介します。
ネットによくある説明では、「1ヶ月に支払った利用者負担の合計が負担限度額(44400円)を越えたときは、越えた分が払い戻されます。」とあります。
父親がいる施設には、1ヶ月に約13万7千円支払っています。44000円を超える分が戻ってくるとしたら93000円戻ることになりますが、実際に戻るのは16000円しかありません。なぜなら、施設のベッドや娯楽施設の使用料と食費の合計約77000円は「高額介護サービス」の対象ではないからです。ですので、毎月12万円が自己負担になります。食費は1日1934円、施設使用料は1日620円ですから、1日当りでみると特に高いわけではありませんが、毎月の支払いとなると大きいです。
また、この施設では希望する場合、毎日の着替えは外部の業者に委託することができます。私は着替えの度に施設に行けないことがあるので、このサービスを使っていて、利用料は月3万円です。これも高額介護サービスの対象ではありません。
上記で紹介したブログに書いたように、介護保険は介護サービスにだけ支払われるので、病気やケガなどで高額な医療費がかかっても、支給対象にはなりません。介護保険は戻ってくる割合いが非常に小さいものだと思っていて間違いないです。
なぜ今夜この文章を書いているかというと、父の高額介護支払い額の通知書とともに、「8月1日以降に使用した介護サービスについては、課税所得380万円以上の世帯では負担上限を93000円にします。」との厚労省からの案内が入っていたからです。8月からって、区切りが悪いですよね。この負担増、いつのまに決まったのでしょう?昨年の国会だとしたら、コロナのどさくさの間に決めてしまったのでしょうか?

私が65歳になる頃には、受け取れる年金はさらに減り、受けられる介護サービスもますます限定されるのが目に見えるようです。。。