コウノトリ復活の鍵は脱ネオニコチノイド

現在の日本の農業で主に使用されている殺虫剤は、ネオニコチノイドという系統です。この系統は人や魚など、虫以外の動物への影響が非常に少ないとされています。しかし虫や虫と同じ門に属する甲殻類(ミジンコの仲間など)は魚にとって重要な餌なので、日本ではネオニコチノイドによって餌が激減したことでウナギやワカサギなどの有用魚が減った例があることを、2019年に発表しました。
実は私の指摘以前から、コウノトリという、魚を食べる鳥の復活に尽力してきた兵庫県の豊岡市では、ネオニコチノイドの使用を控えていました。控えることでどれくらいコウノトリが住みやすい環境になったのか、ネオニコチノイドを使わないことで害虫による被害はどうなったのかなど、明日発売になる「つり人」3月号で紹介されています。とてもわかりやすいレポートなので、ネオニコチノイドに関心のある方には、是非読んでいただければと思います。

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