陸水学・水環境

誰の仕業?

牛久沼に設置しているレンコンを植えたプランター2つを回収しました。ひとつはネットをかけていなかったもの、ひとつはネットをかけて最近まで葉があったのに6月2日時点で消失したもの。引き上げてみると、ネットをかけていた方は、大きな魚が体当たりでも…

牛久沼のハス不調

ハスが消えた原因を調べるためのプランター実験、宍塚大池ではアメリカザリガニが入れないようにネットをかけたプランターで、順調に育っています。 一方、今日行った牛久沼では、先週には2つのプランターどちらも、下のように浮葉が生えていました。 今日…

アマガエルは今。。。

自宅近くや手賀沼周辺で日中の雨天にアマガエルの声が聞こえない件について、ネットで見つけた「カエル探偵団」に問い合わせたところ、丁寧な回答をいただきました。ありがとうございました。 ・ニホンアマガエルは繁殖期(おおむね4月から7月)以外でも鳴き…

世界で最も高緯度に住んでいたジュゴンを日本人が絶滅させた?

かつて辺野古には確実に生息していたジュゴンですが、沖縄では完全に絶滅したとの論文が投稿されました。論文は下記から閲覧・ダウンロードできます。 DOI: 10.21203/rs.3.rs-453039/v1 この論文の筆頭著者が防衛省沖縄防衛局の有識者委員であることから、い…

アマガエルのヨルガエル化

雨が降っても田んぼからアマガエルの声が聞こえてこないのはなぜか? 今日は雨が降っていた日中と夜に回ってみました。 日中はまとまった雨が降っていたのにアマガエルの声はどこからも聞こえてきませんでした。 筑波山の麓に住んでいる知人が「自宅近くの田…

バスだけ駆除しても生態系は戻らない

昨年ハスが消滅した宍塚大池で実験を始めてから、1ヶ月近くになりました。アメリカザリガニが入らないようにしたプランターでは、水位が低下して底が露出しても、ハスが元気に育っていました。 実は宍塚大池では、過去にも一度、ハスが消失しました。水位低…

GISにまとめたい

千葉市若葉区谷当町と新松戸周辺の田んぼでは、アマガエルが元気に鳴いているとの情報が入りました。一方で、今日のつくばはいかにもアマガエルが鳴きそうな曇りor小雨の天気だったのに、田んぼが広がる松代付近(ローカルですみません。。。)では、1尾も…

手賀沼異変

昨年突然、広大なハス群落が消滅した手賀沼ですが、ハスだけでなく動物にも異変が起こっていたかもしれないようです。釣り人の方から、「去年・今年は、抱卵したヘラブナが全然釣れない。」との情報が寄せられたので、手賀沼の自然保護に取り組んでおられる…

なぜ霞ヶ浦にイシガイがいない?

長年、霞ヶ浦とその周辺でイシガイ類を調べている方々とイシガイ探しに行きました。霞ヶ浦は北部だけ回ったのですが、どの地点でもドブガイだけはいました。「こんなところに?」と驚くような農業用水路では、イシガイ類が4種類もいました。下の写真は左の…

濡れ衣?

ハス消滅原因の解明実験、茨城の2水域のうちひとつは、アメリカザリガニによる捕食らしいことが分かりました(5月10日記事)。もうひとつの水域はカメによる食害と言われていました。その水域に沈めたハスプランターを見に行ったところ、ネットをかけたプラ…

犯人はおまえか?

茨城県では2つの水域でハスが消滅しました。原因としてひとつの水域を長らく観察してこられた方は、一昨年に水位低下によってアメリカザリガニを捕食するオオクチバスが激減し、大増殖したアメリカザリガニはハスの芽を食い尽くしたからだと考えています。 …

金属バケツ

インドネシアからの留学生さんが、夏には帰国してネオニコチノイド汚染状況を調べるために採水することになりました。 「先生、採水には何を使えばいいですか?」「霞ヶ浦流入河川の採水では金属製のバケツを使っているけど。」「ならインドネシアで買えるか…

ハスの実験セット完了

昨日はレンコン農家さんから頂いた食用ハスをプランターに植え、ハスが消滅した茨城県の2水域にセットしてきました。幸い雨天で観光客がおらず、順調に作業が進みました。 網をかけて食害を防止した物と何もしない物をそれぞれ2セットづつ設置しました。網…

レンコン♡

このブログで何度か紹介したハス消滅の原因を特定するため、今年は茨城県内の2水域で実験してみることにしました。対象水域は亀やザリガニによる食害が原因とされています。そこで発芽期のレンコンを鉢植えにし、捕食者が入れないよう網で囲ったのと囲って…

リニア新幹線下流の魚が心配

長野県はリニア新幹線のトンネル工事が各地で着工・予定されています。私は長野県の環境アセスメント関係の委員をしていることから、「掘削した土砂を置くヤードからの排水を河川に流す際には、河川の環境基準である全亜鉛濃度を測って下さい。」と繰り返し…

ハスが消えた牛久沼

牛久沼の視察に行きました。かつては下の写真の中央の岬状に見えるところまでハスが広がっていたそうですが、昨年は消滅状態だったそうです。 牛久沼ではハスだけでなく、ヨシやガマなども少しづつ減っているのが気がかりだそうです。下の写真は農業排水が流…

保全生態学者に破壊された霞ヶ浦湖岸生態系

月曜にまとまった雨が降ったので、昨日火曜日、霞ヶ浦に降雨後の採水に行ってきました。消波堤がないところは波あたりが強く、砂浜に植物はほとんど生えていません。大きな湖は風による波が高くなるので、海と同様、浅場に植物は生えにくいのが自然なのです…

消波効果

降雨翌日の採水に行ってきました。流入河川の清明川では、前回よりも鮒釣りの方が増えていました(川岸に車が3台停まっています)。 霞ヶ浦は風が強かったので白波が立っていましたが、消波堤があるので岸近くは穏やかです。霞ヶ浦は、波あたりが強いと流さ…

ともに考えたい水辺の未来

昨日25日に「つり人」4月号が発売されました。163ページに、「脱『ネオニコ』の可能性を探る。(後編)ネオニコに頼らない農業。ともに考えたい水辺の未来」が掲載されています。 豊岡市で行われている、ネオニコチノイドを使わない米作り「コウノトリ育む農…

新型コロナワクチンになぜ不安を感じるのか?

新型コロナワクチンの接種が始まりました。接種後にじんましんや手足があがらないなどの副反応が報告された一方で、めまいや過呼吸などの症状が出た事例もあったそうです。これは不安やストレスが要因となった「予防接種ストレス関連反応」と呼ばれているも…

モダンテクノロジー

鳥獣戯画のフィギュアが届きました。以来、仕事に疲れるとか、意味不明の対応をされるとか、ちょっと心を落ち着けたいときに眺めています。 もとの絵(下記、Wikipediaより)が素晴らしかったのも確かですが、それをこんな風に色づけして3次元にするには、技…

雨が降るとギンザケが大量死するのはタイヤからの化学物質が原因か?

12月21日記事でScience掲載論文を紹介した記事をお伝えしました。その記事のリンク切れてましたが、下記など、複数で今も紹介されていました。 先日紹介した記事では、米国ワシントン州で「雨が降ると河川のギンザケが大量死する」原因を20年かけて調べた結…

糞からわかる?

私の修論では、汽水湖における多毛類や二枚貝の分布と環境との関係を調べました。主要調査地の宍道湖では堆積物と水質を分析しました。堆積物は通常、乾燥してから粒度分布や化学分析を行いますが、粒度分布は乾かすときに変わってしまうような気がして、採…

なぜ雨が降るとギンザケが大量死するのか?

知人から、下記の話題についてどう思うかとメールがありました。 米国ワシントン州で「雨が降ると河川のギンザケが大量死する」原因を20年かけて調べた結果、タイヤの劣化防止剤として使われる6PPDという物質が道路にぶつかるとオゾンガスと反応して6PPD-キ…

ブーメラン

西日本では今年、トビイロウンカが大発生して稲作に打撃を与えました。トビイロウンカは日本で使用されている代表的な殺虫剤であるネオニコチノイド系に耐性を持っているため、被害を防ぐ方法が限定されてしまうのです。 トビイロウンカは日本では寒すぎて越…

バイカル湖の奇跡の石

バイカル湖を共同研究しているアメリカの友人が、「This is another example of the beautiful wonders of Lake Baikal!! 」と送ってくれました。30年以上バイカル湖研究を続けているロシアの研究者も、「こんな光景見たことが無い」と驚いていました。こん…

霞ヶ浦産「湖フグ」のフライ

今日は霞ヶ浦1周巡検でした。天気に恵まれたおかげで、アサザ植栽地の現状、妙岐ノ鼻のヨシ原、霞ヶ浦水族館、崎浜カキ化石床など、お勧めスポットはほぼ全て紹介できました。お食事は水族館近くにある「かすみキッチン」で。土曜日、かつ、霞ヶ浦のサイク…

「アカツカメクラヨコエビ」は差別?

所属する専攻のゼミで学生さんが、山口県・秋芳洞の固有種「アカツカヨコエビ」と環境との関係を説明していました。環境として水質をみていたのですが、ヨコエビは流れる環境を好むのか(流水性)、よどんでいるのを好むのか(止水性)も重要なので、このエ…

コロナ禍の学会

私は水環境関係で、国内3つの学会に所属しています。そのうちひとつは9月にオンラインで学会発表が行われました。マイクロプラスチックのセッションには、少なくとも80人以上が参加していました。オンラインだと、何人くるか予測して部屋を確保する手間が省…

まだまだ出遅れていない、新たな生物農薬の開発

9月19日記事でご紹介したTIA「かけはし」セミナー、昨日無事終了しました。化学物質を使わない殺虫剤としてRNAi、ボルバキア、Bt毒素の可能性をご紹介いただきました。Bt以外は馴染みがなかったので、とても勉強になりました。ドイツを始めとする先進国…